演習に関する通知: 本ドキュメント(監査項目・評価・応答等)は、開発プロジェクトの品質向上とガバナンス体制の検証を目的としたAIによるロールプレイ(擬似演習)の一環です。実在の法的・専門的機関による公式な監査や法的証明を示すものではありません。
1. 指摘事項への謝意と今後の検討方針
Web/A プロダクトチームは、Red Team による詳細な分析(v6)および [REQ-01]〜[REQ-03] の要求事項を受領した。
ご指摘いただいた WebAuthn PRF のメモリ管理や、クラウド HSM における主権の技術的担保は、商用化における核心的な課題であると認識している。これらについては解決策(Attestation の統合、Shamir 分散の検討等)を含め、中長期的なスパンで慎重に検討・実装を進めるため、次期レポート(v7)まで一定の時間を要することをご理解いただきたい。
2. PoC 展開の妥当性に関する質問
一方で、プロダクトチームは、完成された Tier 3 実装を待たずとも、現時点での Web/A 参照実装を用いた 「PoC(概念実証)の先行展開」 には、社会的なセキュリティ改善の観点から強い意義があると考えている。これについて Red Team の見解を問いたい。
2.1. 現行の「脆弱なデータ交換」に対する優位性
現在、多くの組織で以下の手法が外部データ交換に使われている。
- PPAP / パスワード付きZIP: 既知の脆弱性と運用の形骸化。
- リンク+パスワードによるファイル転送: リンクの流出やパスワード通知の傍受リスク。
- 平文の電子メール: 配送経路での盗聴や改竄に対する無防備さ。
これらに対し、現在の Web/A Form または Folio/Post プロトタイプ(たとえ Tier 2 未満であっても)を用いることで、以下の改善が期待できる。
| 比較対象 | 現在の Web/A 参照実装 (PoC) の優位性 |
|---|---|
| 平文メール | L2 エンベロープによる暗号化により、配送経路(Post)での盗聴が物理的に不可能になる。 |
| ファイル転送 | PQC 署名による改竄検知と、JSON-LD による機械的な整合性チェック。 |
| PPAP | ユーザーのクライアント(ブラウザ)内で復号されるため、中継サーバーへの依存が限定的。 |
2.2. リスクと責任のトレードオフ
確かに Folio や Post の PoC 運用は、従来の「投げっぱなし」のメール送信に比べ、サービス提供者(または Post 運用者)が負うべき管理責任は増大する。しかし、これは「平文での情報流出」という壊滅的なリスクに比べれば、**「制御可能な運用リスク」**への移行であり、全体的なセキュリティレベルの向上に資すると考えるが、いかがか。
3. Red Team への要請
中長期的な技術課題の解決と並行して、「現行の脆弱なデータ交換を Web/A PoC で段階的に置き換えていくことの安全性」について、Red Team の立場からリスクアセスメントの視点を提供していただきたい。
特に「現行の電子メールベースの事務」を比較対象(Baseline)とした場合、Web/A のプロトタイプを導入することへの差し支えや、早期導入時の優先的なガードレールについての助言を求める。